新高磁束密度-低鉄損無方向性電磁鋼板の誘導機適用効果

摘要

日本製鉄で開発した新しい高磁束密度一低鉄損の新開発材の誘導機適用効果を確認するため、新開発材50H-CPと従来のJISグレード相当材50H350で誘導機を試作し、モータ特性を比較した結果、以下の結果を得た。①本誘導機では、新開発材50H-CPを適用することで、一次電流が0.3〜5.6%低減する。②上記の結果、高トルク(3.0Nm)条件では、モータ効率が1%程度改善する。③高トルク動作領域では、全損失に対する一次銅損の占める割合が増加し、2(Nm)条件以上では、一次銅損の占める割合が約4割以上となる。この領域では、新開発材50H-CPの高磁束密度特性が有効となり、一次銅損が低減し、モータ効率が改善したと考えられる。今後は、本誘導機を対象にした電磁場解析を行い、鉄損と二次銅損の分離を行うことで、低トルク領域の効率改善メ力二ズムを改善するとともに、実験条件をさらに高トルク領域まで拡大し、新開発材の適用効果を評価予定である。