送電ケーブル接続部の非破壊検査に向けたX線フィルムのディジタル化と内部構造の鮮明化

摘要

本論文で対象とするケ一ブル接続部では，内部の材料間の境界面が劣化により変形することが確認されている.ケーブルの解体調査には膨大なコストがかかるため，X線フィルムによる非破壊の目視検査が行われている.しかしながら，ケーブル接続部は銅管で被覆されており，X線フィルムのコントラストが極端に低下してしまう. X線フィルム撮影時のX線照射時間の調整により内部構造の見やすさをある程度は調整できるが，撮影環境によって写り方が大きく変わるため，細かい調整が必要となり，非常に手間が掛かる.また，コントラストを向上させるには，照射時間を長くする必要があるが，周囲環境からの影響も受けやすく，画像中の特徴が変質してしまう恐れがある.