ワイヤレス電力伝送向けリッツ線コイルの材質と撚り構成が質量と効率に与える影響

摘要

ワイヤレス電力伝送コイルに用いるリッッ線の撚り構成および線材の観点から，質量と伝送効率に与える影響を検討した。本論文で述べたことは以下の事項である。(1) 撚り構成による影響中心撚りにより，コイル抵抗が36.1mΩから46.2 mΩまで増加した。中心撚りにより抵抗値が増加するため，伝送効率は90.61%から90.07 %まで0.54 %低下した。(2) 磁性めつき線の影響銅リツッ線の32.4 mΩに対して，磁性めつき線は35.2 mΩと磁性めつき層の鉄損によりコイル抵抗が増加した。電力伝送の出力電力が増加すると，コイルに流れる電流が大きくなるため，磁性めつき層の損失が増加し伝送効率が減少した。(3) アルミニウム線の影響銅リッツ線は抵抗が39.7 mΩであり，アルミニウムリッツ線コイルは52.4 mΩであった。銅リッツ線の発熱が53.3 °Cであったのに対して，アルミニウムリッツ線コイルは84.7 °Cであるため，アルミニウムリッッ線コイルは軽量という利点があるが，効率向上や発熱低減のためには素線数を増加させる必要がある。