渦粒子法による回転運動するS字ローターまわりの非定常流れの数値解析(放出渦とトルクの関係）

摘要

垂直軸型水力（風力）タービンのなかでも，サボニウス?タービンに代表される抗カ型は出力は低いものの起動性が良いことから，マイクロ水力発電や，風力発電の起動用ローターとして利用されることが多い.一様流中をS宇ローターが一定角速度Ωで回転運動するとき，ローターの周速比λに対する時間平均トルク係数C_TはFig.1のようになる.ローターはC_T>0の領域で原動機として機能し，C_T<0の領域で被動機として機能する.非定常な回転運動をするローターの運動方程式は，ローターの慣性モーメントをI_b，角速度をΩ(t)，ローターが流体から受けるトルクをT(t)とすれば，次式のように記述できる. I_bΩ(t) = T(t) - T_L (1)ただし，ドット記号は時間に関する微分を表し，本稿の場合Ω(t) = 0となる.ローターが一定角速度Ωで回転するとき，左辺はゼロとなり，ローターが流体から受けるトルクT(t)の時間平均値は発電機や摩擦などによる諸損失からなる外トルクT_Lと釣り合うことになる.