海事デジタル化のニーズに対応した船舶保守管理システム

摘要

船舶が安全に航海を続けるためには，機器の状態を把握し保守作業を適切に行うことが重要である.特に航海中に船内搭載機器に故障などのトラブルが発生した場合には，陸上から支援を受けることが困難である.そのため機器の状態を把握し適切な保守作業を，より早い段階で実施することが求められる.近年，船舶から得られるビッグデータを船内で一元的に収集し，状態診断や故障の未然防止を図り，それらを機器の保守管理履歴と組み合わせて，船舶の安全な運航に繋げる取り組みが広がつている.昨今のビッグデータ解析技術の発展もあり，船舶保守管理の分野にも様々な状態診断システムが提案されている.しかし，多数の機器で構成されている機関室などの場合，主機や発電機など機器毎にシステムを搭載する必要があり，また，小規模な機器向けには費用対効果が得られずシステム化が進みにくいという問題がある.これらを解決するため，多種多様な機器の状態診断を一元的に管理でき各機器の状態に応じて必要な保守作業を的確に提供できるクラウド型の船舶保守管理システム「ClassNK CMAXS」について紹介する.