4線STPケーブルのモード多重伝送における トランスを用いた励振法に関する検討

摘要

現在、有線における信号伝送において対となる2線に逆相の電圧を印加して信号伝送を行う差動伝送方式が多く用いられているが、例えば4線ケーブルで差動伝送方式を用いる場合、4線を2対の信号線として使うため2チヤンネルの信号しか送信できない。これまで対称4線STPケーブルを対象に、固有モードを用いて信号を印加することで4チャンネルの信号を送ることができるモード多重伝送方式の提案を行つてきた。本報告では、モード多重伝送方式の信号印加法を提案する。提案する励振法は、変成器を用いて1つの信号源で1つのモードを励振する方法である。このような回路を作成し、回路シミュレーションにより透過特性を計算した。従来法である差動伝送方式に対して、用いたトランスの特性が影響して透過特性は劣化したが、4信号を印加できることを確認し、クロストークの発生も十分に抑えられることを確認した。