3次元冶具とフレキシブル基板を用いた折り畳み多層マイクロコイル

摘要

MRI (Magnetic Resonance Imaging)とは，核磁気共鳴を利用した画像診断法である.計測対象の水素原子の共鳴信号を受信することで計測対象の内部構造を画像化することができる.MRIは放射線を使用しないため，侵襲性が低く，医療の現場などで広く利用されている.また，主に医療用診断装置として人体の内部構造の画像化に利用されているが，小動物や植物などの微小試料の内部構造の画像化にも応用されている.ここで，微小試料の内部構造をより鮮明に画像化するには，MRI画像の分解能の向上が必要である.しかし，微小試料は体積が小さいため，信号強度が弱く，信号対雑音比（SNR： Signal to Noise Ratio)が低くなる.そのため，高い分解能を持つMRI画像を取得するには，SNRの向上が求められる.SNRを向上する方法として，MRI装置の静磁場強度の増加，MRI信号受信コイルの高感度化が挙げられる.コィルの高感度化はMRI装置の種類に依存しないため，幅広く利用することができるので効率的にSNRを向上できると言える.