地中爆発による爆発荷重に対するeps板の緩衝効果

摘要

近年，世界各地で爆破テロ事件や，爆発性の物質を取り扱う際の事故が発生している。このような爆発災害が発生すると，多くの人的被害に加え，爆発が起きた施設の機能が喪失されるために社会に及ぼす影響は極めて大きい。そのため，社会的に重要な施設には，爆発が生じた場合でも施設自体，あるいは施設内部の人命?財産を防護できるような対策を講じる必要がある。その対策のーつとして，当該施設を地中構造物として建設する方法がある。地中構造物では，構造物と爆発との間に地盤材料（土等）が介在するために爆発が構造物に近接して発生することを防止でき，爆発時の構造物の損傷の防止あるいは抑制が期待される。通常，地中構造物は地盤の掘削，構造物の設置が終了すると地盤材料で埋め戻される。この際，土主体の地盤材料に加えて，発泡スチロール（EPS)等の緩衝材を併用して埋め戻し，これを爆発に対する緩衝システムとする方法が考えられる。この方法により，爆発に対してより優れた安全性を有する施設を建設できることが期待されている。本研究では，爆発実験により地中構造物上部の爆発緩衝システムにおけるEPS板の層数，EPSの密度が爆発荷重の緩衝効果（爆発荷重の分散と低減）に及ぼす影響を調べる。