ブラス法内部スズNb_3Sn線材におけるTi添加方法の研究

摘要

Nb_3Sn超伝導線材は優れた高磁界特性，工業化に適した生成プロセス，線材形状のフレキシビリティといった観点からITERやNMRの高磁場機器に幅広く用いられている。将来に計画されているエネルギー粒子加速器(Future Circular Collider; FCC計画)やDEMO炉においても重要な役割を果たすことを期待されているが，例えばFCC計画では16T磁場下で1500A/mm~2の非常に高い性能が要求されており，更なる臨界電流密度J_c特性の改善が求められている。粒子加速器などの次世代の高磁場機器を実現するためにはJ_c特性の改善が不可欠であるが，現在主流のブロンズ法ではブロンズ中のSn固溶限の制約からNb_3Sn生成時のSn供給量を増加させることは極めて困難であり，飛躍的なJ_cの向上は見込めない状況である。ブロンズ法を改良した内部スズ法においても線材の断面構造，熱処理条件の最適化は細部まで研究が進hでおり，特性はほぼ飽和状態である[1]。