インメモリ・データ圧縮処理を備えた大規模センサネットワーク用分散型データベース

摘要

近年、センサネットワーク(SN)は環境情報を取得するために広く使われている。我々は、複数のSN を統合した大規模SN に於いて、リアルタイム時空間検索を可能にする分散型DB システム (以後、従来システム)を提案した[1]。当該従来システムは、Geohash[2]とCassandra[3]を用いて実現した。ここで、Geohash とは、Geocoding の一手法であり、緯度・経度の二次元情報を、一次元の文字列で表し、その長さ（以後、Geohash 長）によって矩形空間の広さを表現するものである。しかし、膨大なセンサデータを管理するに当たり、ストレージ量の増大、処理速度の低下が課題となった。本問題を回避する一手法としてデータ圧縮の導入がある。文献[4]では、Gamma 符号化と固定長を組み合わせることにより、値が高変動するセンサデータでも効果に圧縮できる手法を提案している。しかしながら、当該圧縮処理を、各センサやゲートウェイで実行するとその処理の重さからリアルタイムアクセスが困難となる。