Kinect とプロジェクションマッピングを用いたピッキングエラー防止システムの提案

摘要

物流事業における多くの配送センタには，作業者が棚に収容された物品を取り出し，別の箱に仕分けるピッキング工程がある．同様に自動車工場などの製造工場でも，同様の工程が広く行われている．本工程において作業ミスが生じると以降の工程に誤った物品を送ってしまうことになる．物品を取り出す間口をランプの点灯やウェアラブルグラスなどを利用して表示するシステムや研究がある．また，指示された間口以外から物品を取り出したり，間違った箱に物品を仕分けたりといった作業ミスの検出としては，マイクロソフトのKinect を2 台利用するシステムが提案されているが，経済的とは言えず，Kinect の設置位置にも制限がある．本研究では，短焦点プロジェクタで取り出し間口を指示し，間違った箱に仕分けるミスについては，間口を指定し，1台のKinect で作業ミスを検知する新たなシステムを提案する．プロトタイプシステムを作成し，実験室で性能評価を行った結果，高い確率でミスを検出できたので報告する．