集団避難シミュレーションによる航空機事故時の避難誘導政策の検討

摘要

航空機の安全確保のために，事故後の脱出時間に関する制約が制定されている．米連邦航空局が制定した安全基準（FAR Part25．803（3））では，「機内の全非常用脱出口の半分以下を使って，事故発生から90秒以内に乗客乗員全員が機内から地上に脱出できるような構造にすること」が機体設計に義務付けられ，欧州各国や日本も準じている．その検証のための実験も行われている．また，効率的な避難行動の実現のために，様々な条件における避難状況を把握し，設備配置や避難誘導方法を検討するための避難シミュレーションに関する研究も報告されている.