三次元積層マルエージング鋼の疲労特性におよぼす微粒子ショットピーニングの影響

摘要

3D積層材を機械構造部材へ適用するにあたり，製造時に発生する表面粗さの増大や，ピンホールなどの初期欠陥の発生など，強度低下の要因となる問題を解決しなければならない.著者らは前報で，初期欠陥サイズの縮小手段としてショットビーニング（SP)処理に注目し，マルエージング鋼粉末を用いた3D積層材へのSP処理が，疲労特性改善に有効であることを明らかとした.しかし前報では，3D積層材に含まれる初期欠陥の大きさを鑑みて比較的大きな粒径のショットを用いた結果，SP処理にともなう表面粗さの顕著な増大が問題となつた.そこで本研究ではSP処理にともなう表面粗さの増大を抑制するために，粒径がより小さなショット粒を用いてSP処理を行い，その疲労特性の改善効果について比較検討することした.