開発途上国ネパール·力トマンズ盆地での窒素汚染地下水の浄化： 飲料水供給のための小規模·自立分散型上水処理装置の開発と適用

摘要

開発途上国ネパール連邦民主共和国の首都力トマンズでは慢性的な水不足に直面しているため、排水並みの無機性窒素（NH_4~+やNO_3~-)を含む地下水を家庭用水として利用する地点もあり、飲用水として使用する場合は健康被害を引き起こす危険性がある。人々が持続的に安心·安全な飲料水を入手するためにも、地下水の浄化装置の開発と設置は急務である。地下水は様々な場所で取水されることから、浄化装置はあらゆる場所で運転できるように小規模で自立·分散的に設置可能な構造が望ましい。また、当地の経済性を考慮すると、装置の維持管理が容易な微生物学的硝化脱窒法による窒素除去が有効である。発表者らはこれまで硝化処理装置ゃ脱窒処理装置を開発してカトマンズ市内に設置し、性能評価を行ってきた。本報では上記2種の浄化装置の運転データと、装置設置と運転に要したコストから、開発した浄化装置の実行可能性について考察した。