兵庫県南部の六甲山系渓流水における大腸菌群数·大腸菌数の分布とその特徴

摘要

兵庫県東南部に位置する六甲山は、瀬戸内海国立公園の一角にあってほぼ東西に約30km、幅約?10 km,最高峰は932 mのほぼ花崗岩からなる山地で、多くの渓流がある。明治以降に開発された山上には、ゴルフ場、スキー場、牧場等さまざまのレクリエーション施設に加えて多くの宿泊施設等が立地し、年間を通して観光客やハイカーが訪れる市民に身近な場所である。南北の山麓には住宅地が広がり、北山麓には日本を代表する有馬温泉がある。同時に、森林が広がりイノシシも生息するなど、豊かな自然とあわせて人為的な影響を受けた環境が混在する特徴がある。六甲山全域における渓流水の大腸菌群·大腸菌調査は、2003年?2005年に竹田らによって行われており、大腸菌群は年間を通して常時検出され、大腸菌も季節によって検出されることが報告されている。今回、竹田らと同じ調査地点において大腸菌群·大腸菌の調査を行い、現在の分布状況と季節変動、および竹田ら後の10数年間の変化について調査を行った。