地方環境研究所の取り組み（埼玉県の気候変動対策）

摘要

1898 年から2018 年における日本の都市化が少ない気象観測所15 地点平均の地上気温は1.2°C/100 年の割合で上昇してきている。この昇温は地球温暖化によるものと考えられる。一方、熊谷では2.1°C/100 年と更に昇温率が大きい。これは、地球温暖化のみならず都市ヒートアイランドによる昇温のためである。このように、気温の上昇が続いていることに加えて、熊谷では2007 年8 月16 日に日最高気温40.9°C、その後、2018 年7 月23 日には41.1°Cを記録するなど、日本有数の暑い地域として知られている。熊谷における猛暑日日数は1928 年?1957 年では85 日であったが、1958 年?1987 年では199 日、1988 年?2017 年には485 日と急増してきている（図1）。夏日、真夏日、熱帯夜日数についても同様に増加してきている。一方、冬日については、1928 年?1957 年では2345 日であったが、1958年?1987 年では2007 日、1988 年?2017 年には1332 日と減少してきている。