格子ボルツマン法を用いた移動物体周りの乱流解析に関する検討

摘要

移動物体周りの流動現象は多くの工学製品で見られる．例えば，紛体の空気輸送機などの固気混相流をはじめ，プロペラなどの回転物体の流れ，エンジンなどの内燃機関内部の熱流動などがあげられる．これらの産業機器の最適設計を行う上で，物体の形状表現精度が高い格子ボルツマン法が非常に有効な手段である．格子ボルツマン法を用いて移動境界周りの解析を行う際に，埋め込み境界法や跳ね返り境界が使用される．しかし，いずれの手法でも移動物体近傍で圧力振動を引き起こすことが知られており，特に埋め込み境界法のほうがその影響が顕著に表れるとも言われている．本研究では，跳ね返り境界法を基に，非物理的な圧力振動を低減する手法の開発を行った．開発手法を用いて円管内の移動球体の乱流解析を行い，手法の評価を行った．