細胞サイズリボソームのペアリング及び電気融合が可能なダイナミックマイクロアレイデバイス

摘要

電気融合は細胞およびリボソームなどの小胞を融合させ る際に用いる有力な方法の一つである。電気融合法では，交流（AC)によって小胞を整列させてパールチェインと呼ば れる直線上に隣接した構造を形成させ，直流（DC)パルス によつて接触させた小胞の膜に瞬間的に穿孔を開けること で小胞同士を融合させる。電気融合法は化学融合法で使用 される複雑な前処理を必要としないため，生物学的研究に 広く用いられている。電気融合の応用には，抗体産生ハイブ リドーマの作製，微量の化学成分を混合するためのリポ ソーム同士の融合,ゲノムサイズのDNAやマイク口ビー ズなどの大きな構造物の細胞への導入がある(3)。しかしなが ら、従来の電気融合法では装置に大きな電場を与える必要 があり、また電気融合の様子を観察するということができ ず最適な融合条件の検討などができなかった。