マイク口デバイスを用いた培養感覚神経軸索の活動伝播特性評価

摘要

自己免疫疾患や糖尿病に代表される疾患において，感覚 神経障害による疼痛や感覚異常が問題とされている.主な 障害部位は軸索とシュヮン細胞を含む線維組織であり，シ ュワン細胞とミエリン鞘の脱落が先行するタイプと軸索自 体の変性するタイプが存在する.いずれも機能として電気 伝播特性が障害される.加えて，感覚異常の原因には，感 覚刺激の受容を担うtransient membrane potential (TRP) チャネルや電位依存性Na~+チャネルの過剰発現が関連する .現在は症状の軽減が主な治療であり，疾患の原因に基 づいた根本的な治療方法はほとhど開発されていない.病 態を解明し効果的な治療法を模索するためには，軸索障害 に関わるシュヮン細胞と軸索との細胞間作用や，チャネル の発現•応答性といった細胞の性質に加えて，機能の指標 として軸索の伝播特性を評価できる実験系が望ましい.