低レイノルズ数流れにおける低アスペクト比翼失速時ヒステリシスに関する動的風洞試験

摘要

本研究では，低レイノルズ数流れにおける低アスペクト比翼について，動的効果が空力係数，失速角および失速時のヒステリシスに及ぼす影響を調べた．風洞試験にはアスペクト比1.0 および2.0 のNACA0012 矩形翼を使用し，ピッチ角速度をパラメータとして静的実験との比較を行った．実験結果から，動的効果は失速領域における揚力係数および抵抗係数に現れ，その影響は模型のピッチ角速度に依存することがわかった．失速領域以外では動的効果の影響は小さいことも分かった．また，ピッチ角速度の増加に伴って失速時ヒステリシスが卓越することが明らかになった．失速角および失速時ヒステリシスに動的効果が及ぼす影響は，低アスペクト比の方が大きいことも分かった．