柔軟性伸展ブームを用いた自律ドッキングのダイナミクスとその設計指標

摘要

宇宙機のドッキングは，宇宙工学分野において，長年に渡って行われてきた研究テーマの一つである．宇宙開発初期のドッキングのほとhどは有人のものであり，ジェミニ計画やアポロ計画，国際宇宙ステーションなどが代表例として挙げられる．一方，近年では，宇宙機同士が自律で行うドッキングに注目が集まっている．1997 年，JAXA は技術試験衛星VII 型（ETS-VII）「きく７号/おりひめ・ひこぼし」を打ち上げ，翌1998 年に，世界初の無人・自律ランデブードッキングを成功させた1)．また，2007 年には，アメリカ国防高等研究計画局（DARPA）のOrbital Express計画によって，非協力ターゲットに対する自律ランデブードッキングが実現された2)．