情動と脳神経科学 (人とマウスの脳波·生体信号の違いを理解し情動と関連付ける）

摘要

我々はこれまでに，人の脳波から感性を取得するための 研究を続け，脳波を用いてリアルタイムに感性を取得する ための装置（感性アナライザ©電通サイエンスジャム）を世 の巾に出した。感性アナライザは1秒ごとに興味，好き， ストレス，鎮静，集中の度合いをリアルタイムに取得でき るため，様々な応用研究を行うことでその有効性を検証し た。我々の次なる研究的興味の一つは，動物に感情がある かどうかである。動物の感情に関して言えば，既にパウリ ンガルなる尚品や最近ではミヤゥリンガルまでも出てきて いる（タカラトミー）。しかし犬や猫は会話ができないため， その信憑性は不明である。そもそも動物も人と同じく，セ ンサを付着させ，そこから得られる信号をよく観察し，そ の上でノイズ除去，統計処理を行うことが必要である。し かし，観察的研究がiとなっており（1).(2)，観察した結果と感 情との相関性は分かっていない。動物の行動観察において， センサを取り付け，行動と動物の生体から得られる信号（こ こでは脳波と心拍）を関連付ける意味は大いにあると考え ている。