超電導ケーブル導体のテープ線材スパイラル巻き時のねじり歪計算式

摘要

高温超電導（HTS）電力ケーブル導体の超電導テープ線材はフォーマ上にスパイラルに巻かれる（図1）。このスパイラル巻き導体のテープ線材のねじり歪は線材の臨界電流を律するため、その最適設計が必須となる。そのねじり歪の計算式はすでにMIT のM.Takayasu,Joseph V.Minervini ＆Leslie Bromberg 氏によって積層テープねじり導体も含めて報告されている(1)。しかし、この式を我々のフォーマ上のスパイラル巻き線材に適用する場合、次のような問題がある。①「スパイラル巻きピッチP/層心径D１」の前提条件で近似計算しているので、我々の扱うP/D=3 以上の場合には条件外のケースもある。② スパイラル巻導体と積層テープねじり導体の式は同一の式となり、単一の直線状テープ線材のねじりと同じ扱いになるとしている。しかし、我々が扱うフォーマ上のスパイラル巻導体の場合は、オリジンの長さは直線長L（ピッチP）ではなく、テープ中心のスパイラル長とすべきであると考えられる。そこで、本報告では、①の前提条件の近似計算はせず、さらに②を反映した厳密計算式を新たに導出した。なお、本計算式はすでに2012 年度のNEDO ケーブルプロジェクト(2)に供試されたケーブルの導体設計に反映されている。その適用例も紹介する。