爪画像を用いた蓄積ストレス評価に関する一考察

摘要

本稿では，日常的に蓄積ストレスを測定するために爪画像から爪半月高さを抽出する手法について提案した.提案手法は，HSV表色系変換，指先検出，矩形探索の3つのフェーズで構成された.HSV表色系変換では，撮影した爪画像をHSV表色系に変換し，Hue, Saturation, Valueの各成分に分解した.また，指先検出では，Value成分を用いて2値化，ラベリングを行ない指先領域の検出を行なった.さらに，矩形探索では，矩形内のHueヒストグラムの変化を条件として爪半月のエッジを検出し，爪半月高さを算出した.実験では，色の連続性を用いた手法，平均RGB値を用いた手法との比較考察を行なった.その結果，爪半月の高さ抽出制度において提案手法が最も高い精度であることが確認された.また，全ての手法において整った環境下であれば，爪半月領域の抽出が可能であることが示唆された.しかしながら，提案手法において抽出失敗画像が3枚確認された.また，誤差の平均は43.1であった.これらのことから，指先検出の精度向上，複雑な背景への対応，Hue以外の特徴検討などから，より正確な爪半月の抽出を今後の課題とする.