2I08画像解析による超音速自由飛行体の姿勢計測法に関する研究

摘要

火星探査において，地表を移動し詳細かつ広範囲にわ たって探査できるローバや，着陸船であるランダーなど の探査機を火星地表に送り込む探査方法が計画されて いる[1].一般的に，火星地表に探査機を送りこむため それらをカプセルによって保護し，火星大気圏に突入させる.その時，カプセルの突入速度は約5.9 km/sにまで 達する[2].さらに，火星の大気密度は地球の100分の1であるため，カプセルは空気抵抗により十分減速せず， 超音速のまま火星地表に到達してしまう.カプセルを十 分に減速させるために，超音速パラシュートが用いられ る計画がある[3].現在の構想では，カプセルの速度が 約415 m/sまで減速後，パラシュートを展開し，さらに カプセルを減速させ，着陸フヱーズに移行する.超音速 パラシュートの展開を成功させ，探査機を破損なく予定 着陸地点に到達させるために，超音速域におけるカプセ ルの空力特性が必要である.しかし，カプセルの空カ特 性は機体後部における流れの剥離によって大きく影響 を受けるため，飛行体の空力特性計測によく用いられる 超音速風洞試験では模型支持部による支持干渉の影響 により，正確な空力特性を計測することが困難である[4].