テキストマイニングによる職業紹介機関が保有するデータからの不採用決定要因の抽出について

摘要

日本では、このところ、雇用情勢は改善基調にあり、2013年秋以降、求人数が求職者数を上回る状況が続いている。しかしながら、このような状況下においても、求人に応募した求職者が、採用選考の結果、不採用になることは少なからず見受けられる。求人企業が求める人材に関しては、経済産業省及び厚生労働省も、企業にアンケート調査を行い、採用時に重視する能力を把握している。労働政策研究•研修機構は、企業に正社員に求める能力•資質についてアンケート調査を行い、構造変化の中での企業経営と人材のあり方について検討している。また、経団連及び経済同友会は、会員企業にアンケート調査を行い、新卒者の選考に当たって重視した事項について把握している。さらに、永野はアンケート調査によって、岩脇は企業メッセージの分析及びヒアリングによって、それぞれ大学新卒者に求める人材を把握している。石嶋らは、学生向けの企業のプロフィール資料をテキストマイニングツールで分析し、求人データの分析結果を提供するシステムを提案している。前川らは、求人広告の記載内容と、求職者が就職活動について書込む電子掲示板の記載内容をテキストマイニングによって分析し、企業と求職者のミスマッチの把握を試みている。