横断歩道口用発光ブロックの識別に関する研究

摘要

WHOの報告によると2002年の段階で視覚障害者の内，ロービジョン者は全体の約80%とされている.これら視覚障害者の自立歩行を支援する機器として視覚障害者誘導用ブロックが公共施設に敷設されている.その目的としては視覚障害者に対する目的地までの誘導や警告などがあり，これは視覚障害者が移動をする際に重要な目安の1つでもある.しかし視覚障害者誘導用ブロックは空間的に制約がある環境中に敷設する際，「視覚障害者誘導用ブロック設置指針」の典型例に基づいて行うとかえって不適切な設置になる場合がある.また，夜間や明け方などの低照度環境下では，弱視者の残存視力による周囲の把握は困難となるため誘導用ブロックによる周囲との輝度差を用いた誘導も不可能となる.そのため誘導用ブロックを頼りに歩行する視覚障害者としては屋外での移動が不安となる原因の1つとなる.そこで，事故の危険性が高い横断歩道を利用するための支援機器として発光ブロックの敷設が提案されている.本研究は横断歩道に敷設された発光ブロックの視認性に関する評価と実際に敷設をする際に有効な発光パターンの提案を行った.