FRITの評価関数の数式関数表現

摘要

モデルフリ一で1組の初期人出力信号のみを使ってPIDなどの制御器が設計できる擬似参照信号法，FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)は非常に実用的な設計手法であり，産業界への応用事例も報告されている.研究面でも，外乱抑制，適応制御への適用など活発に展開が行われている.しかし，設計時に評価関数の最小値を探索して求めるため，制御器の設計パラメータの探索の候補値をきえるたびに，初期人出力信号を制御器の逆系に入力したときの応答である擬似参照信号を計算しなければならない.すなわち，初期人出力信号のすべてのサンプル点(本報告のシミュレーション例では15000サンプル点ある)において制御器逆系の応答の計算が必要である.そのために，問題点として(1) 大量の計算が必要である.(2) 求められた最適の制御器パラメータ値がどの値になるか最適値を計算してみなければ分からない，(3) 最適値を修正したとき，どの程度，評価関数が変動するか分からない点がある.