モジュール型IGBTを用いた鉄鋼用インバータドライブ装置の技術進化

摘要

鉄鋼プラントの圧延設備では、交流電動機を可変速制御 するインバータドライブ装置が早くから適用され、生産性 向上に貢献してきた。その後のインバータドライブ装置の 進化は、パワー半導体の進化と密接に関係している。弊社は1990年代まで、10MV A級の主機用インバータド ライブ装置に6k V/6 k A定格圧接型G TO (Gate Turn Off Thyristor)を適用してきたが、1990年代後半に なるとモジュール型IGBT (Insulated Gate Bipolar Transistor)の高電圧化、大容量化が進み、GTOと同等容 量のインバータドライブ装置が構築可能となった。モジュ ール型IGBTは実装作業が容易であり、ゲートドライバ 回路やスナバ回路などの周辺回路を簡素化できるため、生 産性とコストパフォーマンスに優れた小型なインバータド ライブ装置を構築できる。このため、鉄道用インバータな どのさまざまな応用機器向けに市場規模を拡大してきた。 弊社もこの特長を活かし、2000年代より3.3 k V/1. 2 kA定格モジュール型IGBTを適用した主機用IGB Tインバータドライブ装置をリリースしてきた。