複数需要家に設置された自動力率調整装置の集中制御による配電系統の電力品質改善

摘要

高圧需要家の過剰な進相コンデンサ（以下，SC)設備による電圧上昇が，一部の配電系統で問題となっている。この対策として，高圧需要家に自動力率調整装置（以下，APFC)を導入し，需要家の受電力率を1に近くするように，負荷稼動状態に応じてSC容量を適正に制御することが望ましい。これまでに筆者らは，特に現状のAPFC普及率が低い，受電設備容量300kVA以下の中小容量需要家へのAPFC普及促進を目的に，従来より低コストな新しい力率改善システムSmartAPFCを開発した。そして，高圧需要家にSmartAPFCを導入することで得られるメリットを，シミュレーションにより確認してきた。