簡易2軸モーションプラットフオームおよびコンテンツ応用

摘要

人や座席などの積載物を揺動可能なモーションプラットフォームは，古くからドライビングシミュレータやフライトシミュレータなどにおいて利用されているが，近年のバーチャルリアリティ（VR)技術の発達にともない，VRアトラクションや4Dシネマなどにおいてもモーションプラットフオームが利用されてきており，ますます一般に浸透しつつある。モーションプラットフォームは，設置ベースと可動べースを複数の伸縮可能なアクチュエータを回転可能に連結し，アクチュエータを伸縮制御することで可動ベースを様々に揺動することができ，アクチュエータの取り付け方によって，可動ベースを並進?回転可能に揺動することができる。例えば，スチュワート型のパラレルリンク構造では，6本の伸縮可能なアクチュエータをV字状に連結し，連結部を回転可能にすることで，移動3方向，回転3方向の6自由度の動きを表現することができる。しかしながら，積載物の重量をアクチュエータで支えるため，1箇所に集中的に荷重がかかった場合，それに耐えられるだけの高出力なアクチュエータが必要となる。また，伸縮可能なアクチュエータで設置ベースと可動ベースをV字状かつ回転可能に連結することから，可動ベースの動きを制御する際に複雑な幾何計算が必要となる。一方，アクチュエータへの負担を軽減する方法として，可動ベースを支柱で支持することで荷重の大半を地面へと逃がし，設置ベースと可動べースをコイルスプリングで連結することにより，可動ベースが回転する際に増大するモーメントをコイルスプリングによる反作用力で低減する方法や，同様に可動ベースを伸縮可能な支柱で支え，支柱と可動ベースを係留ロープで連結することにより，可動ベースが回転する際に増大するモーメントをロープで牽引することで低減する方法が提案されている。