複数の観測値を用いたデータ同化手法の導入による地下水情報化施工簡易システムの高度化

摘要

トンネル工事に関する地下水問題として，大量湧水に伴う切羽崩落や周辺水環境への影響などがある．これらのトンネル掘削に伴う地下水問題に対して，トンネル工事中の施工?計測データをモデルに反映させ，地下水挙動を予測する評価法としてSDA－SWING法が開発されている．SDA－SWING法は数値モデルを単位スライスボリュームで考え，湧水量を観測値としてデータ同化の処理を行い，透水係数を逐次更新する．本論文では，観測井から得られた地下水位を観測値として追加し，地下水位と湧水量の２種類の観測値よりデータ同化の処理を試みた．結果，同一スライス内に複数の透水係数を設定することで，地下水位の挙動（低下範囲）を制御することが可能になった．