ZEBに向けた再生可能エネルギー利用システムの計画手法に関する研究開発（その4）熱電気統合解析を用いた電力負荷平準化および電力コストの検討

摘要

ZEBを目指した建物において熱電気統合解析の特長を活かし、検討例としてDR制御により負荷平準化を実施した場合の効果と室内環境への影響、DPが導入された場合の電力コストの影響について検討した。①受電電力と外気溫度によりDR制御を実施し、建物全体のエネルギー消費量を4.2%、ピーク電力を6.9%削減した。②DR制御と蓄電池を組み合わせることにより、ピーク電力をさらに3.1%削減し、DR制御のみよりDRレベル3の時間を23%減らすことができ、執務者への負担を軽減できる。しかし、エネルギー消費量は3.0%増加する。③DPを実施した場合、電力コストは一般の料金体系に比ベて26%増加となる。DR制御を実施しても15.9〜18.8%の電力コスト增加となる。また、今回は蓄電池の投資回収は難しいと考えられる。今後の課題として効果的なDR制御手法および蓄電池の制御方法が挙げられる。