街区棟数密度からみた都市の様相に関する研究(2):大阪を対象として

摘要

本稿は街区棟数密度の指標を用いた都市解析に関する研究の第二稿である。人口、建蔽、容積、棟数など様々な密度を計量する際、道路、河川、鉄道などを含めたグロスとしての密度を対象とするか、それらを除外したネットとしての密度を対象とするかにより分析の視点は異なるものになる。グロスとして算出する場合、一般的にその視覚的表現方法は行政区界やメッシュデータに代表されるような形式になるが、そこから得られる情報は大きな都市構造を直感的に把握するには適しているが、微細な都市の様相を捨象してしまうことになる。本研究では、都市を構成する基本単位である街区内部における棟数密度を算出し、個々の街区の特徴量を地図上に段階的に表現することで、都市の微細な構造を視覚的•直感的に把握しやすい地図表現とする。これにより、実感に即した形で都市の様相を把握することが可能になると考える。