立地環境と管理体制の概要（栃木県那須町M 別荘地の場合）:別荘地から定住地に転換したシニアタウンにおける高齢者の居住環境に関する研究 その12

摘要

近年、本来別荘地であったところに、定年退職した高齢者が移住し定住する事象が見受けられる。別荘地という非日常的空間から、定住という日常空間へと対応するためには、さまざまな環境の調整が必要となる。これまで5箇所の調査地で調査を行ってきたなかで、住宅地そのものの立地環境としてのハード面と、住宅地内の自治会や管理体制など、ソフト面を中心としたサポート体制の両側面の調整が必要であることがわかったが、実際にはそれぞれの住宅地によりその条件が異なる。今回は、昨年度の軽井沢に引き続き、日本有数の別荘地のひとつである栃木県那須町のM別荘地を調査対象として取り上げ、別荘地内の立地環境や居住者の生活状況を調査し、定住に必要な居住環境についてさらに深く探求する。調査数は、60歳以上の高齢者が居住する32戸（男性30人、女性31人）で、全戸において訪問調査を行った。その12では、まず対象地の立地や別荘地内自治会および管理体制の現状についての概要を述べる。