河川沿いの列状村く下山〉におけるミチと水路の構成:越後平野の集落空間構成に関する研究その5

摘要

1.研究目的越後平野の西川沿いに位置する列状村〈下山>の空間構成を明らかにすることを目的とする。西川沿いの集落には屋敷の間を耕地へ通り抜けるミチがあり、コウジ（小路）と呼ばれている。2.調査対象•時期新潟市西蒲区〈下山〉は稲作を主とする農村である。2009年9月から2011年1月にかけて全118軒の集落図を作成したα明治21年（1888)の下山更正図と明治43年（1910)の土地台帳から明治期の土地利用と土地所有を把握した。3.コウジが櫛比する列状村西川左岸には宅地の間を一軒ごとにコウジが通る列状村が15例ある。〈下山〉は元和4年（1618)長岡藩知行目録が初見である。安政5年(1858)に戸数22軒、2009年には118軒となっている。近代まで村落北側に又太郎潟があり、19:54年の耕地整理まで「堀上げ田于给広がっていた。西川の流れに対応して「力ミ-シモ」、これと直交する「オモテ-ウラ」の方向性が存在する（図1)。