中国・北京における胡同の保護と更新にみる都市空間の多様性（その2）

摘要

前編に引き続き、本編では、胡同の保護と更新において伝統的な胡同の空間の商業化・観光化に着目し、西四北四条、五道営胡同、南鑼鼓巷を取り上げ、その都市的影響について分析・考察を行う。五道営胡同と南鑼鼓巷は、近年、海外からの移住者が住み始めたことにより、元々あった住居と観光のためにつくられた商業店舗が混在している特徴的な胡同である。しかし、五道営胡同は東西軸、南鑼鼓巷は南北軸と、方位軸が異なっており、胡同と四合院の接続関係が異なっている。そこで観光化していない胡同として西四北四条を調査対象に加え、３つの胡同の比較分析した。(図1)