中国雲南省麗江旧市街地の主要街路における町並み変容の実態:観光地化が世界遺産都市・麗江に与える空間的・社会的インパクトに関する研究　その19

摘要

当該地域における町並み変容の傾向として、フレームにrnついては、概ね低層の町並みが維持されていると言える。rnただし、4% と少数ではあるものの平屋から2 階建てへのrn改築および合築により、小規模な建物の集積である町並みrn構成に変化が生じている。シルエットについても、従前rnには平入を主に構成される町並みにおいて、平入から妻rn入への変更が3% でみられた。下屋庇の設置は修景的措置rnと捉えられるが、本来の意匠とは異なる形状を採用するrnなど、町並みのオーセンティシティを考える上で留意すrnる必要がある。パート・マテリアルにおける変化はおよそrn15% の建物に見られ、フレーム・シルエットレベルよりもrn割合が高い。パートでは、従前には「閉鎖型」の建物や塀rnが「開放型」へと変容し、マテリアルについても、開放度rn合いの高い開口形式へと変更する傾向が確認された。rn　以上から、当該地域におけるおよそ10 年間における町rn並みの変容は、フレーム・シルエット・パート・マテリアrnルの各レベルで生じており、これらは観光客向け店舗やrn宿泊施設の増加や充実に伴う変容でると言える。rn　なお、当該地域の伝統的建築物の維持・保全に関して、rn2006 年には修繕ガイドラインとして「麗江古城伝統民居rn保護維修手冊」が、2008 年には古城内の土地利用のゾーrnニングと修繕ガイドラインを示した「世界文化遺産麗江古rn城伝統商業文化保護管理事項規則指導手冊」が発行されてrnいることから、今後は、ガイドラインの検証も含めた詳細rnな分析を行う予定である。