MVRDV の建築作品分析 :「水平版状マス」のデザインについて

摘要

MVRDV の作品を概観すると作品集FARMAX においては、"Villa VPRO"に代表される床スラブの操作による作品、KM3 以降の作品においては2、マスの操作による作品が多く見られる。中でも、とりわけ、水平版状のマスを地盤面から切り離している作品が多く見られる。したがって、本論文では1999 年以降の「水平版状マス」を持つ作品28 作品をとりあげ、その形態を「被支持マス」と「支持マス」に大別した上で、「被支持マス」については、全体形・外壁・構造体・平面構成を、「支持マス」については、全体形・外壁・構造体・サーキュレーションを分析し、両者の相関を考察し、また、KM3 は形態操作の分類として、Lift,Land,Bend,Span,Stack,Squeeze,Flip,Tilt,Split,Hang,Open,Mix Horizontal,Mix Vertical,Climatize,Interiorize,Cover,Ground,Extrude,Dig,Connect,Spiral,Advertise を見出しとしてまとめられているが、その指標を比較検討することで、MVRDV の「水平版状マス」の設計手法を明らかにするものである。