妊娠による身体的・生理的変化及び妊婦の特性と住宅内事故の関係妊娠による身体的・生理的変化と住宅内事故の関係に関する研究その3

摘要

藤田 1)によると、妊婦の体型は妊娠5～6ヶ月にかけて非妊娠時の体型がもつ因子構造が破壊され、6ヶ月になると妊婦の体型が持つ因子構造への変化が始まり、7ヶ月以降に妊婦特有の体型となるとしている。それらを踏まえ、前々稿から本稿までの結果を捉えると、ADL の変化は体型変化が始まる妊娠6ヶ月に認識しやすくなり、妊婦特有の体型となる妊娠7カ月に事故及びヒヤリハットが多く発生する。すなわち、事故及びヒヤリハットの発生には身体的変化が影響を及ぼすことを捉えた。一方で、ADL の変化がもっとも認識しやすくなる妊娠9ヶ月以降は事故が減少する傾向があったが、妊婦の特性により分類されるCategoryでは身体的変化が大きく、生理的変化への認識が無い（Category4）妊婦は、事故及びヒヤリハットの発生リスクが高くなった。この要因は生理変化への認識の有無が関係していると考える。