伝統木造建築の殺虫を目的とした加湿温風処理時における温湿度制御条件に関する研究実験による木材内部の温湿度挙動の把握

摘要

本報では加湿温風処理実験時の木材内部の温湿度の測定を行った結果から、以下の知見を得た。1)材芯の温度が殺虫に必要な温度に達していた。2)内部に温度と湿度分布が生じ、特に木材の表面部において絶対湿度、相対湿度ともに大きくなった。絶対湿度値が最大になる60°C時に注目すると昇温・加湿速度2 倍の第2、3期では、表面・中間部の絶対湿度値が環境の制御値以上に高くなった。3)温風処理を経て木材が若干乾燥した。今後は熱水分同時移動解析により挙動を明らかにする。