純せh断荷重下におけるコルゲート版のせh断弾性座屈耐力に関する研究

摘要

平板の両面に交互に曲率を与えて形成される波板は、主に積雪や風圧による面外力に抵抗する構造要素として建築の屋根や壁に利用されてきた。一方近年、その意匠性の評価もあり、波板の面内せh断力に対する抵抗特性を有効利用した構法に関する研究が行われている。欧米ではDiaphragm Design と称される設計手法が確立され、国内では、1970 年代、設計施行基準に折版の耐震壁利用に関する基本的考察がなされ、その後に国内外でビス接合部の支圧破壊でエネルギー吸収を見込む耐力壁や屋根の研究が行われてきた。研究においては折版を直交異方性平板とみなし、折版のせh断耐力に関してはさまざまな方法で評価が試みられており、各波形状への応用も期待される。中でも、波型形状の断面を持つ波板は、折版に比べて平面的な分、弾性座屈耐力にそれ以上の期待はできないものの、鋼板の他、スレート、ポリカーボネードなどの材料でも既製品として流通する形状であることから、新たな建築空間を作り出す可能性を秘めている。