自動運転・ロボット技術に対応した施設環境づくりその3: サービスロボットと建物エレベータとの連携

摘要

近年，社会の高齢化などにより人手不足の問題が深刻になる一方で，ロボット技術の開発と実用化が急速に進み，建物内においてもロボットを活用した警備，清掃，案内，送迎，配送などの多種多様なサービスの提供が期待されている。しかしながら，多くのロボットは平面内しか走行できず，結果的にサービスを提供できるエリアが同一フロア内に限定されてしまう。単一のロボットが建物内の複数フロアでサービスを提供するために，鉛直移動手段としてエレベータを利用することが考えられる1)。しかし，人間のように自らボタンを押してエレベータを呼び出したり，行き先階を指定したりすることできるような，アーム等がロボットに備わっていることは稀である。また，ボタンの押下だけではなく，エレベータかごがどの階に存在するか，扉は開かれている状態であるかなどの情報を取得する必要もある。以上に示したように，エレベータ制御はもちろhのこと，ロボット側にもそれに適する機構や連携通信機能を開発することになり，複数フロアにおけるサービスを提供するには多くの手間やコストがかかる。