人のつながりを生む美味しい風土: 農園型集合住宅

摘要

高槻市のベッドタウン化を踏まえた、農園による修景をコンセプトとした集合住宅を提案する。大阪府高槻市は、多くの山々と丘陵に囲まれた地域である。特に北部では、今城塚古墳や旧西国街道などの遺跡が点在している。近年は、大阪と京都の中心地であることからベットタウンとして幅広い年代に親しまれている。しかし、市民の増加による高層マンションの建設や宅地化が著しく、駅前を中心とした歴史的景観や農地は損なわれつつある。本設計敷地の天神町はその代表例である。天神町には天神山と呼ばれる丘陵があり、その頂上におよそ1050 年の歴史を持つ上宮天満宮がある。参道が現在も面影を残し、再建された石鳥居が町のシンボルとなっている。JR 高槻駅からおよそ200m に位置し、駅前からは天神山と石鳥居を見る事ができるが、事務所ビルや大型店舗により年々その存在は薄れている。