洪水撹乱の誘発を目的とした中州掘削工事の効果評価とその考察

摘要

樹林化した砂州上において掘削路を設けたが，樹林化対策の第1段階としては，表層の植生を剥がし表層細粒土層の除去を行うだけでも軽微な流砂運動が生じる可能性があり，礫床の回復と言った面で有効な場合もある.しかし，ハリエンジュ林を形成する場合，その根茎群は表層細粒土層よりも深い礫層部まで侵入している場合が多く，礫層そのものが洪水搅乱を受ける必要がある.そのためには石礫の移動を可能とする掃流力の確保が必要で一般には掘削を行う場合が多い.