認知症高齢者の絵記号認識能力判定の試み: 高齢者居住施設におけるわかりやすさに関する基礎的実験　(その1)

摘要

高齢者居住施設においては、「住宅らしさ」など住まい手を重視した住環境が求められてきている。そのためインテリアによって、居場所や目的地までの経路をわかりやすくする試みがなされている。認知症高齢者にとって「空間のわかりにくさ」は、徘徊等いわゆる問題行動の一因と考えられ、特に工夫が重要となっている。しかしインテリア計画においては、サインと内装デザィンゃ照明・家具の選択は独立して決められることも多い。なぜなら、「わかりやすさ」と「住宅らしさ」を両立させる有効な手法が明らかでないからである。そこで本研究ではグループホームにおいて基礎的実験を行い、手法についての知見を得ることを目的とする。第1稿では絵記号認識能力について、第2稿では色の識別特性について、第3稿では誘導効果について述べる。