認知症高齢者グループホームにおけるセミプライベート領域とセミパブリック領域の使われ方に関する考察

摘要

上述の考察を下記のようにまとめることが出来る。空間構成について、S-priとS-pubが設けられていることで、入居者に滞在空間の選択肢を与え、「逃げ場」の空間として有効的である。一方、介護単位の中に2つの生活単位を内包する場合、複数のS-priとS-pubに見守り可能な空間的連続性を持たせることが重要である。また生活単位を分割することは入居者の滞在空間が分散されてしまうことから、現状の職員体制ではスタッフが入居者に十分な関わりができないという結果も起こりうることに配慮すべきであろう。同様な空間構成において、二つのュニットに異なる利用パターンが見られた要因の解明を今後の課題としたい。