フランスにおける歴史的建造物の周囲の景観保全　1.規制手法フランスにおける旧市街地の修復に関する研究　その55

摘要

（1）フランスに約4万ある指定、あるいは登録された歴史的建造物の周囲500mについて、歴史的建造物と共に計画対象が見える場合には、歴史的建造物にふさわしい景観を保全するため、あらゆる建設は規制される。（2）周囲500mについては、これを拡張することが定められている。しかし手続きが複雑なため、ヴェルサイュ宮殿とその庭園を対象として拡張された1例しかない。2000年の都市計画制度の改正により、より簡易な手続きで周囲500mに代わる修正保全区域が導入された。（3）歴史的建造物と共に見える場合について、1991年に建設省より基準が示された。歴史的建造物からの視野だけでなく、その周囲から計画対象が見える場合についても、規制がかかると判断されている。