住宅変容過程におけるロシア·ソビエトの侵入と伝統空間: サマルカンドの都市·建築研究その7

摘要

サマルカンドの新市街にはロシア帝政期に多くの邸宅が建設され，ロシア革命、ソビエト支配，独立という流れの中で大きく変容してきた。この帝政期以降の住宅に関する研究は皆無であるが、サマルカンドの近代以降を捉える上でも重要である。そこで本稿ではその変容過程を述べるとともに、ロシァ·ソビエトの影響と伝統との連関性を明らかにしていくことを目的とする。村松研究室は，2004年よりサマルカンド建築工科大学と共同で調査を行ってきた。2006年は住宅を中心に調査を行い、29の住宅(新市街10、アパート5、旧市街14)において実測·聞き取りのデータを取った(図1·表1)。