給水式壁体の実大模型を用いた暑熱環境緩和効果の実験的検討壁体の給水による暑熱環境緩和に関する研究　その2

摘要

夏季における屋外暑熱感の緩和対策には，外壁や塀などの鉛直面を冷却する方法がある。鉛直面の冷却方法に関する既往研究として,例えば,萩島らによる壁面緑化の熱収支構造の観測調査や,白井・梅干野らの孔あきレンガゃ武田らの光触媒利用の外装材による蒸発冷却効果の実測調査などがあるが,白井・梅干野らによる調査以外に定量的に暑熱緩和効果を実態調査した例は極めて少ない。ヒートアイランド対策に鉛直面冷却方法を包含する観点から,鉛直面からの水分蒸発による屋外暑熱感の緩和効果の実態把握は重要である。本報では,既報で検討した給水式壁体の実用化を目的として,美大模型を構築して暑熱感の緩和効果を実験的に調査した結果を報告する。